事業再構築補助金の採択率を上げる方法について採択者が考える

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最近ようやく実績報告が終わりましたので、ここで事業再構築補助金についての記録を残していきたいと思います。今回は採択されやすい申請内容について主観で書きます。
※今回の記事当てはまらない内容でも採択されている申請はたくさんありますので、ひとつの参考として捉えていただけると幸いです

1.採択されやすい申請内容について

私は第1回公募で採択されたので、その時の公募内容や条件で話を進めます。なるべく短めで書きます。

採択された内容を自分の案件も含めて10件ほど確認しましたが、それらの共通点は以下の通りです。

・既存事業と相乗効果がある
例えば、これまでweb制作事業をやっていて「未経験で新しく飲食店を始めます」といったように、既存事業と全く経験のない系統の申請だと採択難易度が高くなると思います。

事業再構築補助金の公募要領には「新分野展開」「リスクを取った挑戦」などが推奨されているのでおかしいのではないかと思われますが、既存事業とあまりにもかけ離れている内容というのがポイントです。

確かに新分野や新事業に挑戦していくことが必須要件ですが、採択率を上げるためにはこれまでの自分の事業で培ったノウハウを生かすことが重要です。

web制作事業のノウハウがあったとしても、食材の仕入れや料理人の確保など未経験者が0からスタートしていくのはかなり難しいです。
ただし、後述しますがフランチャイズなど既に存在しているノウハウに乗っかる場合は採択率が良いです。

実際に採択された内容の例として、web制作だけを行っていた人が新たにインターネット広告代理店サービスを開始するというのがございました。

ネット広告に必要なランディングページの作成に既存事業が生かせます。

しかしながら、これだけではパンチが弱いので一工夫が必要でした。その人は元々不動産業界で働いていた経験があって不動産業者とのつながりが多く顧客ニーズも把握していました。

したがって、「不動産業界に特化した広告代理店サービス」という内容で差別化を図り申請を通しました。

「既にあるノウハウを使って新しいことに挑戦する」ということを意識しましょう。

・補助事業に要する経費が自分の事業売上を大きく超えていない

年間売上が300万円規模の事業者が1,000万円の申請(総支払1,500万円、補助率2/3)を出しても採択される可能性は低いと思います。採択されたとしてもその後の資金確保に苦労します。

そのため、自分の売上規模を大きく超える申請をする場合はあらかじめ資金調達の目処を立てておくことが重要です。

具体例を挙げます。

・事業者歴3年、東京在住
・直近の売上が約500万円
・貯金が約270万円
・借り入れ約10万円
・補助金申請額500万円(補助率3/4)
・緊急事態宣言特別枠

上記の事業者は採択され、銀行から短期で500万円を受けて事業を進めることができました。

銀行から融資を受ける場合、補助が確定している金額まで(上記の場合は500万円)は借りられる可能性があります。

ただし、売上や所得を大幅に超えた金額は厳しいのでだいたい売上とトントン位を目安にしましょう。

補助金コンサルなどが手数料を多く取るために申請者の補助金額を高くしようとする報告もありますが、口車に乗らずに身の丈に合った申請をすることが重要です。

・収益性があり、現実的
申請内容が現実的かどうか、収益性があるかどうかも重要なポイントです。

自分の周りでは「フランチャイズに乗っかる形で新事業を開始する」という申請で採択されている方が何人もいます。

フランチャイズは既にノウハウが確立されているので、審査員にも現実的・収益性があると判断してもらいやすいです。

もちろんフランチャイズでなくても採択されますが、定量的な分析のもとで売上計画を立てていくことが必要です。

数字をもとに根拠を示した事業計画書の作成が必要です。

これらは事業再構築補助金だけでなく、もの補助にも当てはまると思います。

採択されることがゴールではなく、3~5年後にその事業が成り立っていることを考えて事業計画書を作成しましょう。

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