転職経験があると転職に積極的になる?:就業構造基本調査80万人分のデータ分析より
目次
就業構造基本調査 80万人の匿名データを分析して調査
小野寺(2012)によると、転職経験の有無によって次回の転職に対する積極性に有意な差が生じるとのことです。
今回は就業構造基本調査 80万人分のデータ解析によって明らかになった結果を一例としてご紹介いたします。
特化係数によって判断
特化係数とは簡単に申し上げますと数字の「1」を基準に、1より大きくなるほど特化している(優位に働いている)ということです。
今回のケースでいえば1より大きい数値であるほど転職活動に積極的であるということです。
結論:転職経験があると経験がない場合よりも転職への積極性が向上し、実際に行動に移しやすい
”転職希望率における特化係数が男性で 1.278、女性で 1.183 で あった”
“転職経験あり就業者の積極的転職希望率特化係数を計算すると、男性では 1.433、女性については 1.322 で、男性女性どちらにおいても、転職経験ありの特化係数のほうが高い結果となっている”
上記の文を論文内の定義に当てはめて簡単に説明しますと、転職経験があるほうが単純に「転職したいなぁ」と頭の中で考えるだけでなく実際に求職活動へ動き出す傾向にある、ということです。
小野寺(2012)は転職希望率にも種類があり、単に頭の中で転職をしたいと考えるだけで行動には移さない群と、実際に行動に移す群に種類分けしています。
引用文の「 積極的転職希望率 」が後者に当てはまります。
あくまでも統計上のデータ分析かつ一例
今回の調査はあくまでも一例です。ひとりひとり考え方は違いますから実際に話してみないと分かりません。
ただし、こうした結果もあると覚えておけば広告や集客の戦略を立てる際に参考にすることができます。
参考: 転職経験および転職理由と 転職希望意識との関連について ─ 就業構造基本調査匿名データによる統計分析 小野寺 剛