作業効率を向上させる室温とは:日本建築学会環境系論文集より

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室内の気温が上がるほど作業効率が低下するとの研究結果

少し古い論文ではございますが、岩下ら(2004)の研究によると被験者101を50人と51人に分けてそれぞれ22℃の室内と29℃の室内で同じ作業をさせたところ、22℃の室温で作業を実施したほうが正解率が高いという結果になった。

ビデオ内容の記憶の度合いを作業効率と捉える

この論文における「作業」と「効率」の定義を説明する。

作業・・・ TV番組のビデオを視聴した後、番組内容に関する問いに答えること

効率・・・問いに対する正解率

なお、22℃で実験を行う被験者と29℃で実験を行う被験者の素の記憶能力に有意な差はないことも論文内では明記している。

海外の研究にも言及

ニューヨ ーク州換気委員会の実・験の再考察においても20℃の室温でのタイピ ング作業は24℃の室温下の作業に比べ 、18〜49% 多いとの結果が出たという。

まとめ

・アンケート調査においても29℃の被験者の方が22℃の被験者よりもネガティブな回答をした(眠気、疲労感、集中のしやすさなど)

・簡単な問題においては正解率に影響は見られず、数値や語句の組み合わせを問うような中難度の問題においては22℃の方が29℃よりも正解率が高かった

日常生活に使える応用

パソコンで文章をタイピングしたり、パワーポイントを作成したりするときは室内の温度を22℃くらいに設定すると効率が上がるかもしれませんね!

勉強の場合は計算や英単語の勉強をするときなどに有効ではないでしょうか。

ずっと22℃のままだと寒くて体調を崩してしまう恐れがあるので、1~2時間くらい集中したい時間を設定して実施するのが良いと思います。

参考論文はこちら

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