2019年IT導入補助金の採択率と傾向について
目次
2018年と比較して申請期間が短く、採択率もかなり低い
今回の補助金で私がお手伝いした案件の結果を掲載します。
1次公募
A類型:申請6社 採択4社 採択率 約66.7%
申請期間 :2019年5月27日(月)~2019年6月12日
B類型:申請8社 採択3社 採択率 37.5%
申請期間:2019年5月27日(月)~2019年6月28日
2次公募
申請20社 採択3社 採択率 15%
申請期間 2019年7月17日(水)11:00~2019年8月23日
※A類型は40万~150万円未満の補助、B類型は150万~450万円 の補助、いずれも補助率は1/2です。
2018年は採択率が97%以上でした
2018年のIT導入補助金の予算は500億円、補助金額は最大50万で補助率は1/2でした。
税金滞納や前科が無いのであれば申請を出せばほぼ通るといった状況でした。
これに対して2019年は予算が100億円、補助金額が最大450万円でした。
予算が前年度の20%になってしまったにもかかわらず、補助金額が9倍になったので採択率が落ち込むことは予想されていました。
採択された企業の特徴とは
今回の採択結果を受けた感想は「納税実績が豊富な企業ほど優遇されている」ということです。
納税額が多い、また企業として歴史があるほど採択されており、設立して1年といった若い企業は落ちてしまっている印象でした。
あくまでも印象ですが。。
IT補助金の申請サポートをしている社労士さんや行政書士さん、サポート企業の方々は「昨年度採択率99%以上!」といった広告や宣伝文句をバンバン出していたので、今年はかなり苦労されたのではないでしょうか。
予算や採択率が落ちてしまった原因
2018年は500億円の予算がありましたが、これを使い切ることができませんでした。(予算が余ってしまった)
その結果、2019年では予算が100億円に減額されてしまったと考えられています。
補助金額も最大50万円(2018年)から450万円(2019年)となり、先ほど述べたように予算が減ったにも関わらず補助金額が増えたことが主な原因と考えられます。
その他申請方法や必要書類が複雑になったことも考えられます。
全体を通しての感想
軽い言葉になってしまいますが、今年は全然イケてないという感想です。
まず、予算が1/5になったのに補助上限を450万円にする意味が分からないです。
「補助金額を増やすことでこれまで導入が難しかったシステムの導入が可能となる」とのことですが、そもそも審査に通らなくなってしまっています。
せめて予算は昨年度の半分(250憶円)は欲しかったですね。
また、補助金が必要な層はどちらかというと若い会社だと思います。
まだまだ設立したばかりで資金繰りに苦労している法人こそ補助金の効果が発揮されるのではないでしょうか。
金融機関から融資を引く場合でも実績があって安定している企業が優遇されるので、補助金の採択率が高くなることも理解できます。
しかしながら、補助金はそうした融資をなかなか受けることができない法人・個人こそ頼りにできる制度であって欲しいです。